「せめて一刺し、お前に浴びせたかったラディゲ」リエにもどったマリアがラディゲの背中をぶっさしたときのセリフ。まさにあらゆる男に翻弄された女のこころが表れた言葉だ。リュウの愛によってリエの心を取り戻したにもかかわらず、過去には戻れないと言い、命を絶つ。その展開はもはや子供番組を超えている。さらにマリアを巡っては、リュウ、ラディゲ、そしてグレイが男として争っていたということになる。これは逆に女に左右される男の運命と悲劇という一面も表現されている。
さらに、ストーリーの他に評価すべきものはやはりマリアの魔獣のようなメイクだ。普通なら、吸血鬼の最終体型において着ぐるみの魔獣となっていてもおかしくないが、マリアはあえて素顔をいかした強烈なメイクと効果が施される。最終的にリュウとキスをするのでその時の構図も考えられてのこともあるだろうが、美しい顔に化け物のようなメイクという組み合わせは、まさに特撮悪女ファンの脳裏に深く刻み込まれている。また、人間の血を吸い、その都度変貌していく際のあえぎ苦しむ様子も同様にセクシーさを見いだす。
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